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Thursday, December 29, 2005

ひとつの大きな輪を巡る長い旅へ

メディスンマンであるということは、ほかのなににもまして心のあり方であり、この地球の見え方と理解の仕方であり、そのすべてについての感じ方なのだと、わしは信じている。
故レイム・ディアー ラコタのエルダー

ネイティブ・アメリカンの世界の見方のことをしばしば「メディスン・ホイール」という。『ジャンピング・マウス』の物語は、シャイアンという平原部族に伝えられたメディスン・ホイールの世界観を伝えるものだった。この世界観は部族によって微妙に異なるのだが、ひとつの輪と、それを構成する方角を象徴するものによって世界を認識し理解しようとする試みは広く共通している。この世界観はおそらくアラスカを越えてシベリアなどもふくむユーラシア大陸東部にまで広がっていたものと思われる。世界をひとつの輪のなかに写し出されるものとして眺める見方だ。(北方シャーマニズムと中国文明の出会いが産み落とした易などもこの世界観に共通するものを持っている)

輪のまんなかにたとえばひとつの石ころを置いてみるとしよう。自分側のどの位置に立つかによって石の見え方が違ってくる。どの場所に立っても同じ石しか見えていないとなると問題は大きくなる。東側から見たり、南から見たり、西から見たり、北に廻って見たりして違いをはっきりと確認しなくてはならない。

ある部族のメディスン・ホイールの考え方によれば、東は「鷲の目で見た世界」であるとされる。イーグルは空の高いところを滑空して飛び、そこから世界を見下ろす。南は「ネズミの目で見た世界」である。ネズミはイーグルとは違って地面の上を動き回る。ネズミとイーグルの見ている世界はまったく異なっているだろう。しかしネズミもイーグルもひとつの真実を見ているのである。西は「熊の目で見た世界」である。熊は熊で、イーグルともネズミとも違ったように世界を見ている。北は「バッファローの目で見た世界」である。

レイム・ディアーはその伝記のなかで、メディスンマンになるためには、東、南、西、北の四つの方角をことごとく旅してまわり、四つの方角の表す世界の見え方が相互に結びつけられていることを理解するだけの知を開発する必要があると語っていた。メディスン・ホイールを巡る旅は一朝一夕に出来るものではない。一度旅をはじめたら旅が終わるまでには長い年月がかかる。この旅には、忍耐と、なんでもすすんで学ぼうとするオープンな姿勢が求められる。頭が開かれていれば、最終的にあなたは理解するだろう。結局は愛しかないのだということを。

インディアン魂—レイム・ディアー〈上〉 』(河出書房新社|リチャード アードス 編|北山 耕平訳|1998年刊行)『インディアン魂—レイム・ディアー〈下〉 』(河出書房新社|リチャード アードス 編|北山 耕平訳|1998年刊行)

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Comments

たくさんのお話を語り続けてくださいましてありがとうございます。いつも興味深く拝見しています。「ある部族のメディスン・ホイールの考え方」を読んだとき、私が仲間たちと学び合っているものともやはりとても共通していると感じうれしくなりました。東は鷲、南はねずみ、西の熊はーまるでヨットのように四つ足でジグザク歩き時々二本足で立ち上がっては行く先を見渡します。北は大鹿なのですが、彼らはProvider。南のネズミと対峙する位置にある彼らの世界の見方は、共同体への関わり方の違いにあらわれるといいます。例えば大鹿が大企業でネズミがボランティア団体というように。そして、しつこいくらいバランスを大切にすること、4つの方角のバランスが大切だと学んでいます。 その先にあるのは愛なんだーときっぱり言えるような学びの人生はすてきですね。  よい年をお迎え下さい

Posted by: まる | Saturday, December 31, 2005 at 02:48 PM

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