思った通りルイジアナの先住民たちに救助の手は届いてはいない
ハリーケーンで多大な被害を受けたルイジアナでは先住民の部族には、やはりどこにもまだまったく援助の手がさしのべられていないことがわかった。インディアン・カントリー・トゥデイ紙が9月30日の記事で伝えた。連合ホウマ国(United Houma Nation)はふたつの巨大なハリケーンが流し去ったルイジアナの沿岸部の「バイヨー」と呼ばれる沼地で海老漁を続けながら細々と暮らしてきた先住民の国。人口3500人ほどのうち、現在ハリケーンの被害を受けてほとんどの人の住む家が全壊し、1000人を越す人たちがホームレス状態にあるにもかかわらず、合衆国政府も、州政府もなにひとつ援助の手をさしのべていない。
ホウマのチーフであるブレンダ・ダーダー・ロビショーは、アメリカ・インディアンの部族のなかでハリケーン・カトリーナの被害の最も大きかったのがホウマ国であるにもかかわらず、危機管理局も赤十字も部族の人間にたいしてなにひとつ援助らしい援助を行っていないと語っている。ニューオリンズの南にあるレースランドに建つロビショーの家の庭には現在草の根ボランティアたちが野営していて、そのテントを中心に部族のメンバーに医薬品を配ったり壊れた家の修復に手を貸しているらしい。部族の人間にはケイジャン・フレンチといわれる独特なフランス語しか話せないものたちも多く、必要なものを伝える手段を持っていないものたちもかなりの数にのぼる。チーフ・ロビショーは「部族のみんなは、こうなった責任はすべて自分たちにあり、誰かが手をさしのべてくれるのを待つのではなく、自分たちで再建するつもりだ」と語っているという。
連合ホウマ国はそのホームページで被害状況を報告しているし、ボランティアや寄付も求めている。
連合ホウマ国のホームページ http://www.unitedhoumanation.org/
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Comments
北山さん、貴重な情報ありがとうございます。
昨日、The String Cheese Incidentというバンド
とともに日本で最初のConscious Allianceとして
の活動を終えて帰宅したタイミングでのこの記事。
早速、集まった寄付金の行き先として提案させて
いただきました。結果も追って報告させていただ
こうと思います。
Posted by: amit | Wednesday, October 05, 2005 04:16 PM
「チーフ・ロビショーは「部族のみんなは、こうなった責任はすべて自分たちにあり、誰かが手をさしのべてくれるのを待つのではなく、自分たちで再建するつもりだ」と語っているという。」
アメリカのニュース番組でハリケーンの被害
にあったかたの言葉をいくつか聞きましたが、
こんな言い方もへんなのですが「心強い」
言葉ですね。
あんなときにあっても、チーフ・ロビショーの言葉が、他の被災者の方達に心の手を差し出しているように見えます。
見ているだけの物質社会にいきる私ですが、
この言葉は重いです。
Posted by: 信珠 | Thursday, October 06, 2005 08:38 AM
北山さん、こんにちは。以前、投稿したものの続きです。下のリンクのような結果になりました。現地では少ないスタッフで忙しくやっていますので、進行が遅くなりましたが恐れずに情報をオープンに伝えていった成果が出たと思います。ありがとうございました。
http://www.consciousalliance.org/projects_4DirectionsRelief.htm
Posted by: amit | Friday, December 23, 2005 01:29 PM
amit さん、わたしの方がお礼を言わなくてはなりません。4DirectionsReliefのナオミさんの献身的な働きにも頭が下がります。国という枠を超えてこうした動きが広まることはうれしいことであり、amit さんのメッセージはわたしには最高のクリスマスプレゼントになりました。ありがとうございました。
Posted by: Kitayama "Smiling Cloud" Kohei | Saturday, December 24, 2005 11:41 AM