チェロキーに伝えられた予言 #03
それぞれ四種類の人たちはそれぞれが自分に与えられた方角に行き、自分たちに与えられた教えを学ぶことになった。いつだったかさほど昔ではない頃のニューズウィーク誌に、人類の食べている食べものの十のうち八つが西半球でもともと作られていたものだという記事があったが、それは赤い人たちが教えを、地球と地球からはえるものたちの教えを、しっかりと守護してきたことのあかしであるだろう。われわれには、われわれが兄弟として、姉妹として、再び相まみえることができたとき、互いに教えを忘れないでいたことを確認しあって行うことになる皆の前で見せるべき「聖なる握手」が与えられているのだ。
ホピの人たちに与えられた石版には、最初の姉妹たちや兄弟たちが、それぞれ亀の姿をとって大地を横断してきて、その姿をあらわすと記されていた。それらは確かに人間ではあるかもしれないが、やって来るときには亀の姿形をしていると。そのときが近づいたとき、ホピはそのための特別な村で、はるばる遠くから大地を横断してやってきた亀たちを出迎えることになっていた。ある朝彼らは朝の光のなかで立ちあがり、朝日の差し込んでくる方角に目をこらした。
どこまでも続く沙漠のはるか向こうから、スペイン人の征服者たちが、各人がさながら亀のごとく見える鎧甲を身にまとって、こちらを目指してやって来るのが見えた。まさしくそれは、大地を横切ってやって来る亀たちのように見えたのだ。そこでホピの人たちは村を出てスペイン人たちを出迎えた。握手をしようと手を差しのばしたその手に、スペイン人はつまらないはかりごとを返してきた。そのことがあってすぐ、北アメリカ大陸中に「厳しい時代が訪れる」との知らせが広められた。「兄弟姉妹のなかにすべてのもののなかにある神聖さを忘れてしまったかもしれぬものたちがおり、これがために地球に生きるものたちが苦しむことになるだろう」と。
そこで部族という部族が、しかるべき人間たちを山に送り、自分たちが生き延びるためにどうすればよいかについてのヴィジョンを求めさせた。そのころミシシッピ大盆地のなかだけでも、ざっと10万もの町があり、盛り土をする文明で知られていた。町という町が、そうした巨大な盛り土のうえに建設されていた。この大きな盛り土群は、今もそこに残されている。なぜ盛り土をしたのかというと、厳しい時が訪れることがわかっていたから、なんとか地面から離れたところで生き延びることを学びはじめようとしたのだ。(不定期につづく)
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