なにがイルカの寿命を縮めているのか?
「コスタリカでイルカとの遊泳を全面禁止」についての記事を昼前に読んで、なんとしても記事のソースにたどりつかなくてはならないとなぜか直感的に考え、ようやくコスタリカで刊行されている唯一の英字新聞である「Tico Times」にたどりついたのは夜の10時だった。ティコ・タイムスはコスタリカで最も読まれている英字新聞だという。その新聞の8月12日号におそらくネタ元となったであろう記事を見つけた。記事のタイトルは「鯨とイルカの監禁が法令で禁止された」というもので、スタッフ・ライターのマリア・ガブリエラ・ディアズ(María Gabriela Díaz)が記事を書いている。
コスタリカはラテンアメリカ諸国の中で、イルカたちや鯨たちを監禁することだけでなく、一緒に泳いだりスキューバダイビングをしたりすることも禁止する最初の国となった。
記事の書き出しはそうなっている。つまりコスタリカでは鯨やイルカを捕獲して狭い空間に閉じこめることだけでなく、鯨やイルカと一緒に泳ぐことも法律で禁止したというのである。日本で流された記事にふれられていない箇所は、この法律を作るのに主導権を発揮したのが他ならぬコスタリカの自然保護団体「プロマル」であるということと、「プロマル」のクベロ代表の、
鯨たちやイルカたちの近くで人間が泳いだりスキューバダイビングをしたりするのを法律で禁止したのは、そうした活動がそれらの動物たちだけでなく人間たちにもネガティブな効果をもたらすという研究に基づいているのですという発言につづく、「ツアーの事業者たちにはクジラ類に関する情報や、ツーリストたちがクジラなどのまわりで見せるべき振る舞いについての情報が絶対的に欠けています。あの人たちはクジラ類たちをしばしばぐるぐる回らせたりしますし、イルカたちはそうするのが好きだと考えているようですが、実際のところクジラやイルカたちはそうさせられることを不快に感じているのです」
という言葉だ。そしてさらにクベロという人物からの情報として「監禁状態のクジラ類は長生きできないことが証明されている」とし、「プロマル」の声明として「捕獲されたクジラ類は自由に海を泳いでいるクジラやイルカたちと比べると平均寿命が70パーセントまで減少する」とある。つまり、この元記事によればクジラやイルカの寿命を短くしているのは彼らを監禁状態に置くためであると言っているのである。人間と一緒に泳がせるためにイルカを施設に監禁して飼育することはイルカの寿命を縮めるので、今後はこれをしてはならないと言うことであるらしい。
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