もし死因が「生きていることに伴う圧倒的な不幸」だったら
アメリカでも社会は内側にさまざまな問題を抱えている。たとえば自殺率。近年大幅に自殺率が低下しているなかで、逆に自殺率が増えてきているのが、十代(ティーンエージャー)とアメリカ・インディアンである。十代の自殺率は60年代の3倍にも達し、インディアンの青少年になると、数字はさらに上回る。あるデータによると、インディアンであるだけで、他の平均的なアメリカ人よりも72バーセントも自殺する確率が高くなっているし、あなたが今インディアンの青少年であったなら、自殺する確立はなんと300パーセントを越えているのだ。とくに北部大平原に暮らしているネイティブのティーンエージャーたちが悲惨で、数字的にいうと一人がこれまでに10回死んでもおかしくないぐらいで、生きていることだけで奇跡のようなものなのだといわれている。ほんの数ヶ月前にも、シャイアン・リバーのラコタ国では17人ものティーンたちが連続して自殺をしてしまったばかりだ。自殺は連鎖的に起こったもので、これは大量の不幸にとりつかれて絶望しているインディアンの人たちの世界にとてつもない危機が迫っていることを意味する。子供たちの自殺の原因が「生きていることに伴う圧倒的な不幸」だとしたら、ほんとうの問題の解決策はどこにあるのだろうか?
「Koyaanisqatsi (Life out of balance)」カテゴリの記事
- デニス・バンクス、日本への祈り 石川史江訳(2011.04.01)
- 放射能はナバホの人たちの大地と人をどう変えてしまうのか(2011.01.24)
- 誰の目にも明らかな20世紀の地球温暖化(2009.10.09)
- 原発のフル活用だなんて災いを地球規模に拡大するだけ(2009.09.29)
- それでも故郷が水の底に沈まなくてよかったと思える日は必ずくる(2009.09.23)
The comments to this entry are closed.
Comments