シレトコ先住民族エコツーリズム研究会の最新プレスリリース
Native Heart (Wednesday, April 27, 2005) に「アイヌ民族がエコツアー」という短い情報を掲載した。その際、知床でくだんの先住民族ツーリズムのプロデュースをしている藤崎達也氏からコメントをいただき、以後氏のブログ(T@2)をときどき巡回して読ませていただいている。6月23日には「知床の世界自然遺産登録後の観光振興と自然保護を官民一体で進める知床エコツーリズム推進計画が羅臼町で開かれた知床エコツーリズム推進協議会で了承された」という読売新聞の記事へのリンクが張られているし、これを受けて翌24日の記事には「シレトコ先住民族エコツーリズム研究会」の出した「世界自然遺産知床〜先住民族がエコツーリズムを開始します」というプレスリリースが掲載されているので、全文を転載しておく。具体的になにがはじまっているのかを知るうえでも貴重な資料となると思えるからだ。こうした動きが北海道全域に広まっていくように人びとの心と時代が動くといいな。
世界自然遺産知床〜先住民族がエコツーリズムを開始します
記者説明会を開催します
日時:7月1日 17:00〜 場所:知床グランドホテル
SIPETRU/シレトコ先住民族エコツーリズム研究会は7月1日、世界自然遺産としての登録が目前となっている知床・斜里町で、アイヌ民族によるエコツーリズムの可能性を探るシンポジウムを開催します。アイヌ民族の伝統的な歌や踊りの紹介をはじめ、ハワイでの先住民族によるエコツーリズムへの取り組みなどをスライドを交え紹介するとともに、北海道大学院の小野有五教授とアイヌアートプロジェクト代表の結城幸司氏によるトークセッションも行います。
知床半島はIUCNの勧告を受け世界自然遺産に登録される見通しですが、IUCNの評価書の中には管理体制へのアイヌ民族の関与の必要性についても触れられています。SIPETRUでは5月、他のアイヌ民族のグループと共に環境省やIUCNなどに対して、知床世界遺産管理におけるアイヌ民族の関与の重要性を訴える意見書を提出しており、IUCNの評価書はそれらの意見書を反映したかたちとなりました。さらにSIPETRUの調査によると知床には「チャシ」と呼ばれる先住民族の遺跡が多数現存しており、樺太アイヌや北海道アイヌといったいくつかの民族が、それらを聖地のように語り継いでいることも明らかとなってきております。そんな中SIPETRUでは多くのアイヌ民族のグループと協力し合いながら、現代を生きる先住民族文化を、エコツーリズムを通して広く情報発信していきたいと考えています。 この取り組みは去る6月23日、環境省知床エコツーリズム推進協議会においても発表され、知床でのエコツーリズム推進にあたり先住民族の自然観や知恵を参考にしていくことが確認されております。
なお、翌2日はアイヌ民族で樺太アイヌの伝統的な楽器「トンコリ」の第一人者OKIによるライブコンサートが同じくゆめホール知床で開催されます。また、3日には札幌のアイヌ民族によるモデルエコツアーも実施され、世界遺産地域での先住民族の活動の機運を高めます。詳細は下記事務局までお問い合わせください。
1.取り組みに関するお問い合わせ(事務局)
SIPETRU/シレトコ先住民族エコツーリズム研究会
Shiretoko Indigenous People Eco Tourism Research Union
(“シペル”=アイヌ語で「大きい・川・道」)
北海道斜里郡斜里町ウトロ東284 NPO SHINRA内
SIPETRU事務局 藤崎・西原
TEL:01522−2−5522
FAX:01522−2−5524
http://www.shinra.or.jp/sipetru(7月1日公開予定)
sipetru@shinra.or.jp
2.世界遺産記念3日間連続イベント
「世界遺産と先住民族とスピリット」のご紹介
7月1日(金)
シンポジウム「シレトコのレラ(風)を聴く〜先住民族のエコツーリズム」
〜アイヌ民族自らてがける先住民族エコツーリズムをご紹介します
■場所:知床グランドホテル 大会議室「オホーツク」
■日時:2005年7月1日 20:00〜21:30
■ゲスト:
小野 有五(北海道大学教授)
石井ポンペ(社団法人北海道ウタリ協会札幌支部札幌ウポポ保存会副会長)
結城幸司(アイヌアートプロジェクト代表)
■内容:
・トンコリ・ムックリ演奏 (石井ポンペ)
・アイヌ民族の伝統的カヌー復元プロジェクト
〜ハワイでの取り組みのスライドショー
(アイヌアートプロジェクト結城氏)
・知床での先住民族ツーリズムの可能性トークセッション
(小野有五・結城氏)
■主催:NPO SHINRA・シレトコ先住民族エコツーリズム研究会(SIPETRU)
■協賛:日本経団連自然保護基金 東オホーツクシーニックバイウェイ連携会議
■後援:北海道開発局網走開発建設部
7月2日(土)
OKI TONKORI TOUR DUB AINU BAND
オキ/ニューアルバム“トンコリ”リリースツアー2005
〜樺太アイヌの伝統的な楽器「トンコリ」の第一人者でアイヌ民族の
OKIによるコンサート
■場所:斜里公民館 ゆめホール知床
■日時:2005年7月2日(土) 会場18:30 開演19:00
■料金:大人 前売り¥2,000/当日¥2,500
小中高生 前売り¥1,000/当日¥1,500
■主催:sastro
■企画制作:sastro, ChikarStudio
■共催:Radio Kisar, Tam Tam Lonloke
7月3日(日)
聖地巡礼〜アイヌ民族と歩くモニターツアー
〜先住民族の遺跡「チャシ」を中心にアイヌ民族のガイドと一緒に森歩き
■場所:シレトコの森 (集合場所:ウトロ温泉・酋長の家)
■日時:2005年7月3日(日) 9:00〜15:00
■料金:大 人 ¥2,000(モニター価格※)
子 供 ¥1,000(モニター価格※)
※先着10名様
※ご参加された皆様にはアンケート等にお答えいただきます
■主催:SIPETRU NPO SHINRA
■協賛:日本経団連自然保護基金
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Comments
藤崎です
掲載ありがとうございます!
Posted by: 藤崎です | Saturday, June 25, 2005 09:49 AM