暗闇のなかの暮らし
「インディアンたちは自然の近くで暮らしており、自然をしたがへるものは暗闇のなかで生きることはない」タタンガ・マニ(ウォーキング・バッファロー)
1871ー1967
ストーニー・インディアンの長老の言葉
今なお自然に近いところで生活しているインディアンたちはたくさんいる。自然の移ろいにしたがい、儀式にしたがい、伝統文化にしたがって生きている人たちだ。こういうひとたちはなるほど物質的には豊かではないかもしれない。傾きかけたような家、白黒テレビ、やっと動いている車。財産と呼べるようなものはほとんどないかもしれない。しかしそれは、この人たちが「よい人生を送っていない」ということを意味するものではない。いったい「よい生活」というのは「もの」をどのくらいもっているかで計れるものなのだろうか? つまるところわれわれがこの人生で追い求めているのは、いったいなになのだろうか? 長老と呼ばれた人たちはみな口々にこう言っている。「人間というのは、例外なく誰もが幸せになりたがっているし、こころの平安を求めている」と。「もの」をいくら持ったところで、そのたくさんのものが幸せやこころの安らぎを運んでくることはない。幸せをもたらしてくれるのは、スピリチュアルなものだけだ。わたしたちがスピリチュアルな人生を生きるとき、暗闇は取り払われる。そして暗闇のかわりに、幸せに包まれることになる。
87歳のときにはじめてイギリスのロンドンを訪問して、タタンガ・マニことウォーキング・バッファロー翁が残した言葉はきわめて印象深い。彼はこう言っていた。「子供たちをあまりに自然から遠く離れたところで育てるのは正しいことではない。あなた方の国の子供たちは、少女も少年も、ネコヤナギも見たことがなければ、ひばりが巣を作るところも、一面が草に覆われた山を見たこともない。この舗装は自動車にとっては素敵なものかもしれないが、子供たちにとってはあまりにもつらすぎる」
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