夜の風をひらく
「もしも夜に耳を澄ましてみるなら、暗闇の生き物たちの声が聞こえるだろう。フクロウ、コオロギ、カエル、夜の鳥たち。どれもみな聖なる生き物だ。そればかりでなく、妙なる歌声も聞こえてこよう。そいつはおまえさんが今までに聞いたことがないような歌だ。しみじみと、こころで、聞くがよい。耳を傾けることを絶対にとめてはいかん」ヘネリー・クイック・ベア、ラコタの長老
夜はいのちにあふれている。歌にあふれ、美しさにもあふれている。夜に自然のなかに行ってそこで耳を傾けたことがあるだろうか? 自然に耳を傾けることをわたしは「風をひらく」と呼んでいる。夜に自然のなかで静寂と平安に包まれて風をひらくのは格別の体験になる。どこが特別かというと、われわれの五感の全部が役割を変化させるからだ。闇のなかで世界が見えなくなると、耳がよりとぎすまされてくるし、鼻は鼻でさまざまなにおいにたいして敏感になる。音とにおいをとおして、われわれは次元の異なる自然の中に入り込むことができる。夜の鳥たちの歌う声や、夜の風。あらためて目を閉じてみれば、世界と自分のつながり方が昼間とはまったく異なることを知覚できるだろう。夜の闇のなかで風をひらくことは、世界を創られた存在と一体化することである。
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Comments
夜の風をひらく・・・夜の山歩きが好きです。主に六甲の歩きなれた道ですが、今度行ったら、夜の風をひらいてみます。*^^*
Posted by: mayan | Sunday, May 29, 2005 03:28 PM