最大の敵と戦おう
『設計者からの諌言「浜岡原発は制御不能になる」』(JANJAN 2005/04/15)をまだ読まれていない方はぜひ読みましょう。中部電力の浜岡原発でなにが起こっているのかを、これほど説得力を持って伝えてくれる文書はとても貴重です。ほとんどのマスコミがこれを伝えようとしていないのは、あきらかにある種の意図を持っていると考えてもいいでしょう。
わたしは「われわれの最大の敵は核である」ということをアメリカの先住民であるウエスタン・ショショーニの人たちから学びました。彼等の国には、これまでに九百回以上も核爆発を被った核実験場があります。西部ショショーニ国のチーフであるレイモンド・ヨーウェル氏は「われわれの土地で九百回を超える核爆発が起こされた。これほどの数の核爆弾を落とされた国はこの地球でショショーニだけだ」と言っています。ウラニウムは、本来地球の内蔵であり、掘り出すべきものではありません。一度掘り出してしまうと、それは二度と地球のなかに戻すことが出来なくなってしまうのです。いかなる形であれ核を使うと言うことは、戻すことも、消すことも、なくすこともできないモンスターをつくりだすことなのだと、彼等は言います。人間はさまざまな理由をつけてこのモンスターを作り続けています。わたしは日本国の政府が遂行しようとしている「核の平和利用」というものを信じません。「核エネルギー開発」は、地球に生きるすべての人たちにとっての大きな敵、母なる地球にたいする裏切り行為であることを、あらためて知って欲しいと思います。
『設計者からの諌言「浜岡原発は制御不能になる』という告発文を読み終えて、わたしはウエスタン・ショショーニの精神的指導者でありメディスンマンであるコービン・ハーネイの言葉を思い出しました。
「わしのまわりにあるものをよく見てくれ。木々は死につつある。わしらの水は汚染されている。空気だって吸い込まない方がよい。これが理由なのだ。わしらはこれが理由で、なんとかして数千年前の昔の生き方に戻れないものかと努力しているのだ」
「われわれはネイティブの生き方に戻らねばならない。ネイティブの道とは、すべてのもののために祈ることである。われわれの母なる地球はおそろしく貴重なものなのだ。使い方を誤つようなまねは許されないし、彼女がいつまでも生き続けられるようにしなくてはならない」
「われわれは、地球に生きるものとして、われわれの頭を寄せ合って、ここにあるわれわれの星を救うためになにかをしなくてはならない。われわれには、ひとつの水と、ひとつの空気と、ひとりの母なる地球しかおらんのだから」
Shundahai Network (ウエスタン・ショショーニの人たちが立ちあげた「核の鎖を断つことを目的としたグループ。シュンダハイとは彼等の言葉で「すべての生き物との間の平和と調和」を意味する)
HEAL OUR MOTHER 『原発震災』を防ぐ全国署名に協力を!
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Comments
二ヶ月半、久しぶりに日本に滞在しました。この間自然と入ってきた情報が環境破壊、人間の精神性の敗退などについてでした。そしてそれらについて常に考えさせられ、疑問が次から次へと出てきましたが色々なメディア(本だったりテレビだったり知り合う人だったり)を通して、気がつかないうちに不思議と解答が得られる状態にありました。
そしてこの記事『最大の敵と戦おう』でダブルパンチ(?)状態です。
すごく思って仕方ないのですが、今、ネイティブの人々の魂が地球の救済のために復活してかなりがんばっていませんか。
Posted by: 慈安 | Wednesday, April 20, 2005 07:17 AM
はじめまして。浜岡原発関係で検索していたら、こちらのサイトにたどりつきました。
サイトを見ていて、ふと思い出したことがあります。
以前、瞑想の最中に何百年か前のネイティブアメリカンの村を見たことがあります。そのとき村のシャーマンが重い病気で倒れ、村じゅうの人々が祈りをささげていました。シャーマンの病巣をじっと見ていると、ある光景が見えてきました。現代のアメリカの地下核実験です。ネバダ・・・だと思います。核廃棄物や汚染された土地の痛みが、時代をさかのぼって、同じと土地に住むシャーマンの肉体を苦しめていました。彼から伝言を預かり瞑想を終了しましたが、なんとも複雑な気持ちです。現代が過去にまで影響を及ぼしているとでもいったらいいのか・・・・。でも逆に、いま状況を変えてゆけば、過去、そして未来を取り戻すことができるのかもしれませんね。できることからはじめようと思います。
Posted by: キョーコ | Thursday, April 21, 2005 10:38 AM
キョーコさんの見たヴィジョンはすごいものですね。ネバダ(ショショーニの人たちはニュウイと呼びますが)はほんとうに美しい大地です。そしておそらくロシアのセミパラチンスクと並んで地球で最も汚染された大地がその真ん中にあります。これは文明がいかに野蛮なものであるかを教えるものです。彼等の時間は、わたしたちの時間のように過去→現在→未来というふうには流れていません。ネイティブの時間は輪を描いて螺旋状に進行します。過去のことが今のヴィジョンに出てくるのも珍しいことではないのでしょう。過去は「知恵」を意味し、「現在」は「知識」を意味します。過去を失うことは知恵を失うことに他なりません。いつまでも輪を描きつづける時間の大切さを多くのいのちたちと共有したいものです。
Posted by: Kitayama "Smiling Cloud" Kohei | Thursday, April 21, 2005 12:29 PM
せいぞんのための日記のヤマシゲといいます。ブログをはじめて、浜岡原発と地震をひとつのテーマとして選びました。人間家族の読者でしたので、お名前を覚えていました。伊豆半島の付け根に住んでいます。記事を書いたら、トラックバックをいただいて、たどるうちにここにたどり着きました。中国と日本の古武道を個人的に20年ほど探求してきました。現在は、”杭になる”アーシングというメソッド(グランディング)を中心に、ランニングアースというボディワークに取り組んでいます。日本は、核がなければ、基本的に気候変動の危機を乗り越えることができると考えています。核があれば、だめです。それは、北、米国、中国の核兵器、そして日本地震の核。そのいずれでも同じことです。不思議なことに、日本は、核の厄災と深く関係してしまう国であると、ある高齢の古武道家が自発動功の後におしゃっていました。かなり絶望的なヴィジョンでした。しかし、美しく得難い自然。そして、善良な人々が暮らすこの国の土地の力はすごいと思っています。人間はだめでも、土地はすごい。だから逆にそこで暮らす自分自身と隣人をまだ信じたいと思っています。北山様、お願いがあります。ここをトラックバックで打ってください。地図[://map.livedoor.com/map/?ZM=9&CNT=1&COL=1&OPT=e0000011&SZ=500%2C320&MAP=E138.8.54.0N34.37.6.3&KN=1 ] 。トラックバック[ //map.livedoor.com/map/tb/E138.8.54.0N34.37.6.3 ]で、浜岡原発に、杭をこの”この記事”で打ってください。人の思いの杭を地図に打つことには、象徴以上の力があります。では、失礼しました。
Posted by: yamashige | Thursday, April 21, 2005 06:51 PM