東北人の起源
2005年04月11日月曜日の仙台で刊行されている日刊新聞「河北新報」の記事に「東北大グループ 東北人の起源 人骨から探る」というものがあった。かいつまんで紹介すると、東北人のルーツがほんとうに縄文人に近いかどうかを骨の形状と遺伝子から調べようというプロジェクトが動き出したというもの。東北大医学部の百々幸雄教授(形質人類学)らのグループが今年夏に、東北の遺跡から出土した古墳時代—江戸時代の人骨300体の調査を開始するのだとか。河北新報は「縄文人直系の子孫とみられるアイヌ民族との共通点を探ることで、東北人の起源に光を当てる狙いだ」と書いている。
東北は他地域と比べ、おもしろいことに「弥生以降の出土人骨が少ない」という。同紙の記事によれば「東北大が過去に北海道で行った調査では、江戸時代のアイヌ民族の骨や遺伝子から、縄文人と共通する要素が多く見つかった」という。百々教授は「アイヌ民族は縄文人の直系の子孫と言ってほぼ間違いない。東北人とアイヌの関連を探ることで、東北人がどの程度縄文人に近い要素を持っていたかを確かめたい」と話している。
雑種の日本人のなかでも、東北人は、アイヌ民族についで縄文人に近いのかしらね。蝦夷(えみし)と呼ばれていた人たちの子孫が東北人を形作っているとしたら、エミシとアイヌと縄文人の関係も少しははっきり見えてくるのかな。いずれにしても刮目して結果を待ちたい。
河北新報の元記事「東北大グループ 東北人の起源 人骨から探る」(読むには登録が必要)
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Comments
興味あるプロジェクトですね。東北人やアイヌ民族は本州人よりも縄文時代の遺伝を残していると思います。この細長い島々の歴史を知る上で(示す上で)手がかりとなりましょう。
ただ、どんな人類学でもそうですが、調べる対象(調べられる側)へのリスペクトを片時も忘れないようにしたいですね。土に還ろうとしている祖先たち、その血を受け継いで生きる「東北人」「アイヌ」たち・・・
アイヌや東北に伝わるものが好きですし、プロジャパニーズの精神を生きたいと思っていますが、それは遺伝子や骨の形とはまったく関係ないことで・・・。インディアンの中にはヨーロッパ人の遺伝子を濃くもつ者も居るでしょうし、中にはインディアンの血を持たぬものも居るでしょう。それでも生き方がインディアン的ならば、遺伝子など関係ないことで。大切なのは母なる地球とどんな関係であるかだから。
現代に生きるほとんどのひとの中には、たぶんネイティブの血とネイティブを否定する血との両方が流れているのでしょう。その流れの中からなにを見、どう生きるのかを自分自身で選んで生きたいですね。
すみません、蛇足のコメントでした。
Posted by: 柴﨑 | Saturday, April 16, 2005 01:09 PM