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Saturday, April 02, 2005

イギリスに先住民族の権利を認めさせよう

サバイバル・インターナショナルから「緊急行動のお願い」の転載:

Date: 2005/04/01 0:48:23

イギリス:歴史的な国連宣言を政府が妨害している。(2005年2月)

「イギリスの先住民族に関する人権政策は唾棄すべき、お粗末なものだ。」

ダレー・サンボ・ドロウ(イヌイットのスポークスマン)

「人権が個人的権利だけでないことを認識すべきである。集団的権利もあるのだ。」

国連事務総長、1993年



イギリス政府は、国連で先住民族の権利承認を妨害しています。世界の先住民族10年は、10年の基本目標であった先住民族の権利に関する国連宣言の草稿承認に達することなく、2004年12月に終了してしまいました。

この失敗の主な原因は、いくつかの政府、特にイギリス、フランス、アメリカが、先住民族の集団的権利を宣言にもりこむことを拒否したためです。先住民族のためにさらにもう10年間が公表されましたが、宣言に関する討議は止まったままで、45条の宣言草稿のうち、今までにわずか2条が承認されただけです。

世界の先住民族にとって、集団的権利はとても重要です。「集団的権利は、我々のような隔絶された国家や共同体の全体性、生存、福祉にとって、基本的なものである。それらは我々の文化、精神性、世界観と切り離し難いほど関連している。先住民族の個人的権利を行使し、享受するためにも欠かせないものである。」(先住民族40団体からトニー・ブレアに宛てた手紙、2004年9月)

先住民族は、国連の多数の機関によって「国民」として認められています。しかしイギリスは、彼らの権利を制限させるため、宣言草稿の中でこの単語の使用を公式に反対しています。これは、数百年続いているイギリスの政策と全く矛盾しています。というのは、イギリス国家と北アメリカの先住民族との間で交わされた条約が、国家間の条約として認められているからです。

先住民族は自己決定権を保持していますが、それは集団でのみ行使できるものなのです。奇妙なことにイギリス政府は、先住民族のために新しい権利を「創造」すると述べています。しかし、これは他の人権よりも法的に劣ってしまうはずです。先住民族たちは、そのような差別的なダブル・スタンダードに強く反対しています。

土地と資源に対する完全な集団的権利は、先住民族の生存にとって基本です。例えば、アマゾンのヤノマミは、ヤノスと呼ばれる大きな共同家屋に住んでいます。そのような建物についての「個人的所有権」という概念は、全く無意味です。また、その土地で採鉱会社に操業を許可するかどうかを決める先住民族の権利も、集団的権利としてのみ意味があるのです。しかしながら、このようなきわめて重大な集団的権利は、「集団的に行使される」個人的権利だと、イギリス政府は主張しています。アメリカでは、1887年の悪名高いドーズ法で、この概念の危険性が明らかとなりました。その法律によって、共同体所有のインディアンの土地が個人的な土地区画に分割されました。9000万エーカーのインディアンの土地が一瞬にしてなくなり、居留地が崩壊したのです。

イギリス政府の見解は、集団的人権を敵対視する挑戦的なものです。北アメリカ先住民族の代表がイギリス政府を訪問し、さらにサバイバル支援者から数百の手紙が届いたので、2004年11月にイギリス政府は急遽態度を変えました。現在彼らは、集団的権利の存在を認めていますが、そのような権利は真の人権でないという誤認を改めようとせず、国連宣言の妨害に固執しています。この問題に関する重要な国際法、1989年のILO先住民族協定にも違反するイギリス政府の姿勢を変えるように、先住民族の40団体はトニー・ブレアに請願しました。

カナダのクレー大会議の大議長テド・モーセスは、「ブレア政府は、数千年もの間、先住民族の文化に存在している集団的人権を否定し続けている。個人的所有権の考え方を受け入れるのが先住民族にとって最良だと、イギリス政府はきわめて傲慢に主張している。」と記しています。

先住の権利に関する国連宣言は、先住民族にとってこの50年間で最も重要な前進となるはずです。それを拒否しているイギリスの行動が不当であり、強く非難されるべきだと、サバイバル・インターナショナルは信じています。

[森本和男訳]

元記事 arrow2 http://www.asahi-net.or.jp/~vi6k-mrmt/u05-uk0a.htm


サバイバル・インタ−ナショナルは先住民族を支援する世界的組織です。
連絡先  真実一美:kmazane@e.okayama-u.ac.jp
     森本和男:vi6k-mrmt@asahi-net.or.jp
  http://www.asahi-net.or.jp/~vi6k-mrmt/survival.htm(日本語)
  http://www.survival-international.org(英語)

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