第七の火
『スピリット——第七の火』(ピーター・バフェット Peter Buffett 演出)という長期公演のライブステージが昨年来、米国で話題になっている。専用に組みあげられて750人の観客を包み込む巨大なテントの会場のなかで、ライブ音楽と巨大なスクリーンに映し出される映像とネイティブ・アメリカンのダンスとドラムビートとストーリーテリングによってアメリカ・インディアンのスピリットとヴィジョンを90分間で体験させようという過去に例を見ない壮大な試みだ。全米から選ばれたネイティブのダンサーやシンガーやドラマーたちが顔をそろえて、ネイティブ・アメリカンの音楽家・作曲家として著名なショウニー族のチーフ・ホーク・ポウプを音楽と語りの柱に据えて、大人から子どもまでに魔法のような時間を体験させてくれるのだという。昨年後半は演出家のピーター・バフェットの活動の拠点であるミルウォーキーで主に公演を続けてきた舞台は現在は休演中だが、今年の初夏からはいよいよ全米各地でのツアーに動きはじめる。最初の公演地はフィラデルフィアに決定した。各種のメディアも取りあげはじめているので、おそらく今後大きな話題になるだろう。
「第七の火」とは、「調和のとれた新しき生活を求めてはるかな祖先の足跡をたどって歩きはじめる新しい人たちがあらわれる癒しの時」のことで、これもまた「虹の戦士」と同じように予言の中、アニシナベと自分たちのことを呼ぶ北東部大西洋沿岸地帯の森と川の民の予言の中に登場した「新しい時代」の概念である。この目と耳と心に訴えかけるダンス・シアターは、観客にある種のスピリチュアルなヴィジョンを体験させることを目的に構成されているようだ。この『スピリット——第七の火』はアメリカ・インディアンの伝統的な文化を紹介するだけで終わるようなものではなくて、先住民の世代観や歴史観をとおして、われわれが誰であり、どこから来て、いずこへ向かうのか、その理由をも問いかけるものとなっていると、新聞に掲載された批評は書いていた。いうならば「劇場におけるヴィジョン・クエスト」であるとも。詳細や舞台の画像やテーマとなる音楽サンプル、劇場ができあがるまでの映像などは以下のホームページへ。
なおこの『スピリット——第七の火』はアメリカの「ルドルフ・シュタイナー財団」が後援をしている。あの地球と共同体を癒すことを目的にするシュタイナー教育のシュタイナー財団であります。このツアーがアメリカのあとで日本にもやってきてくれないかなと思うのはわたしだけだろうか? うーん、今年は一度アメリカに渡ってこの公演を見てくることも考えなくては・・・
追記
アニシナベの人たちに伝えられた「七つの火」の予言について、ここで書こうと思ったのだが、あまりに長くなって、まだ終わらないので、明日のブログに掲載することにした。しばし、お待ちを。
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Comments
是非、アメリカにいらして下さい。 今年のWPPD は アメリカでですし。
Posted by: フライブレッドクィーン | Thursday, March 03, 2005 03:17 PM
たった今、『スピリット——第七の火』のHpで映像を見て大興奮の感動でした。6月にアメリカに行くかもしれないので、タイミングの合った時は、絶対に見たいです。。。あー生で見て、ビジョンクエストを感じたいです。。。
Posted by: 大盛 良一 | Thursday, March 03, 2005 03:32 PM
ひょんなことから参加しましたが、2004年朝霧の祈りは雨嵐の中すごいものでした。でもすご~い楽しく(と言っては変ですね)喜びでした。この内容は
眉間にしわを寄せるようなサンダンスと違って、
興味深いです。
Posted by: 信珠 | Thursday, March 03, 2005 05:07 PM
”このツアーがアメリカのあとで日本にもやってきてくれないかな”と、すご~~く願います。
・・・って、一市民にも何かできることないですかねぇ?来てもらうために。。。
Posted by: じごろう | Thursday, March 03, 2005 11:32 PM