風の言葉を話す人たち 再び
明日20日(日)の日曜洋画劇場(テレビ朝日)で、ニコラス・ケイジが主演する、あの「ウインドトーカーズ(Windtalkers)」が放映されますね。第二次世界大戦、それも太平洋戦争に出征したナバホの暗号要員を描いた映画です(監督ジョン・ウー)。ニコラス・ケイジは、暗号要員が日本帝国軍に捕まらないようにあらゆる代価を払って守るのが任務という設定。「あらゆる代価」のなかには「敵に捕まる時には先に殺してしまう」ことも含まれているわけ。
太平洋戦史を振り返れば、結局日本帝国軍は最後までナバホ語の暗号を解読することは出来ませんでした。映画は、ナバホのリザベーションから太平洋の島で、日本帝国軍を相手にした激戦地であるガ島(ガタルカナル)
わたしは最初この映画をレンタルビデオで見たとき、まちがって「日本語吹き替え版」を借りてしまっていたために、しばらく不思議な感覚を体験したというものです。吹き替えされた日本語と、ナバホ語と英語と吹き替えでない日本語がでてくるから。今回の放映ははじめから日本語吹き替え版がメインで流されますから、あのときわたしが味わった不思議な体験を多くの人が味わうかも知れません。とくに最初の20分ぐらいはぜひ見て欲しいなあ。映画のなかに、「ナバホとジャップはほとんど見分けがつかない」といったようなせりふが出てきますし、実際日本人だといってもおかしくない顔つきの人も多いのです。
わたしはかつてナバホのある人の家で、ガラスのケースのなかに飾られた第二次世界大戦の対日戦争の記念品を見せてもらったことがあります。きわめて敬意あふれる取り扱いをされた「日の丸」や「軍刀」などを指で指し示してくれた後、彼は「日本兵はみな勇敢でした」とぽつりと言いました。
そういえば先日、ナバホの土地に暮らし、ナバホの嫁さんをもらって、今、かつてのナバホのコードトーカーズたちの写真を撮り続けている写真家のKawano Kenjiさんという昔の知り合いのテレビ・ドキュメンタリーを偶然見ました。「Warriors: Navajo Code Talkers」という彼の写真集も米国では話題になっています。わたしが彼と知り合ったのは彼が嫁さんと結婚した直後のことで、彼はナバホ・タイムズの専属カメラマンをしていました。不思議な運命の巡り合わせで、河野さんの娘さんは今イラクに従軍看護婦として派兵されているのですね。「ウインドトーカーズ」は日本人とネイティブ・アメリカンのつながり(縁[えにし])を、いろんな意味で考えさせてくれる映画です。
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Comments
素敵な情報ありがとうございます。
今日は地震が起きたので、放送は見れませんが
ビデオで拝見させて頂きたいと思います。
やっぱり、というべきか福岡に大地震が起きて
市内のライフラインは今だに復旧していません。
幸い、私の周りのものに怪我人などは出ていませんが、市内では死亡された方もいます。身を持って、自然の驚異を体現させていただきました。
今回の地震はどういう事なのでしょう?
この時期に、100年ぶり、観測史上最大の地震が来るというのは偶然なのでしょうか?とても、考えさせられます。。。
Posted by: 大盛 良一 | Sunday, March 20, 2005 08:36 PM
リザベーションから軍隊へ行くまでの部分が大胆にカットされていましたね。結局最後まで見てしまいましたが。ガタルカナルではなくて、サイパン島でした。(本文に訂正を入れました)マイクロネシアのサイパン島、テニアン島、ロタ島は昔、コンチネンタル航空の機内誌の仕事をしていた時に回つたことがありましたのに。面目ない。この映画はやはりビデオかDVDで見た方がいいかもしれません。
大盛さんへ。地震はあきらかにメッセージです。ただ生きていればよいという時代が終わったことを伝えているのかもしれません。
Posted by: Kitayama "Smiling Cloud" Kohei | Sunday, March 20, 2005 11:44 PM
北山先生、ありがとうございます。
私も今回のこの地震だけは、メッセージだと思います。このタイミングで、この場所に起きた事という事に意味があるような気がします。週末から、私たちに出来る支援を行います。
Posted by: 大盛 良一 | Monday, March 21, 2005 09:58 PM