はんぶんの毛布(再話)
THE OTHER HALF OF THE BLANKET
モホーク族に伝えられたおはなし
モホーク族●ナイアガラの滝をくだってニューヨークまで流れてくるハドソン川の流域の森で暮らす人たちです。アメリカとカナダの国境にまたがるように独立した自分たちの国を持っています。
むかし あるところに とてもとしをとったちちおやと くらしている おとこが いました。おくさんと こどもがひとりいて、ちいさな こやで よにんで くらしていました。
でも じぶんの ちちおやとはいえ としおいていく じいさまの せわをすることに おとこは だんだん つかれてきました。
じいさまは としを とりすぎていて からだも よわくなり はたらくことも できません。おとこは かんがえました。
「こんな やくたたずが そばに いても あしでまといに なるだけじゃないか」
そこで あるひのこと おとこは としをとりすぎた じぶんの ちちおやを どこかに すててしまう ことにきめたのです。
おとこは うまれてから まだ はちかいしか ふゆを しらない おさない むすこを よびつけると じいさまを すててくる しごとを いいつけました。
「いいか、じいさまを どこかもりのおくの とおいところまで つれていって そこに おきざりに してこい」
おとこは それから いちまいの もうふを てに とると それを しょうねんに てわたして、
「もりのなかで じいさまと わかれるとき この もうふを じいさまの かたに かけてやれ」
しょうねんは なにも いわずに もうふを つかむと じいさまの てをとり もりのなかへ ふたりで はいっていきました。
もりの おくで、しょうねんは じいさまを あめやかぜの あたらないところに すわらせると、そこで もってきた もうふを はんぶんに きりさきました。
きりさいたもうふの はんぶんで じいさまのかたを つつむと、しょうねんは もうはんぶんの もうふを もって いえに かえりました。
むすこが もうふの はんぶんを てにして こやにはいってきたのをみて おとこが いいました。
「なんで もうふの はんぶん なんか もって かえってきたのだ?」
しょうねんは こたえました。
「とうさんが としを とって ぼくが もりの おくに つれていったときに これを かたに かけてあげようと おもって」
おとこには ことばもありませんでした。しばらく かんがえてから こういったそうです。
「たしかに そうだったな、むすこよ。わたしが わるかった。もういちど もりのおくへいって じいさまを いえにつれて かえってこい」
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