昆虫たちは生き残れるのだろうか
10年ほど前にフランスで開発され、バイエル、BASFなどドイツの製薬会社などがいろいろな名前で製品を製造している「フィプロニル Fipronil」という殺虫剤は、たとえば日本では動物病院で販売されている犬のノミやダニの駆除の薬(製品名・フロントライン)、シロアリ駆除剤のみならず、さらには家庭用殺虫剤などとしても、多様な商品名で日常的に使われているのだが、本来的な使われ方では水稲の害虫であるニカメイガ、イネミズゾウムシ、ウンカ類等をやっつける目的で使われ(日本農薬株式会社の「日農フジワンプリンス粒剤[フィプロニル・イソプロチオラン粒剤]の解説や明治製菓が作っている「Dr.オリゼプリンス」の解説をお読みください)たり、作物のトウモロコシやキャベツ、カリフラワー、ひまわりの種子などに種まき前に散布して使用する種子処理用殺虫殺菌剤に分類される農薬。日本ではたとえば「ピラゾール」という別名だったりする。「農薬ネトマガ」というメールマガジン(今年の4月23日号)によれば、フィプロニルは世界の農薬市場でも7番目によく売れている農薬だ。製薬会社はこの薬は昆虫たちの中枢神経にダメージを加え方向感覚を喪失せしめるものと説明しているけれど、ABCニュースなどいくつかのメディアによれば、世界はこの農薬の使用を禁止しすべきではないかという声が今年になつて上がりはじめた。なんでも、フランスでは、このフィプロニルのせいで、人間の手でこの10年間に90億匹ものミツバチを殺してしまったらしく、フィプロニルを含む6種類の殺虫剤の商品化とフランス国内での使用が今年になって禁止されている。
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