浄化 #02
そうした大変動は、母なる地球の使い方を誤ち、条約を破棄し続けてきた結果である。オクラホマを襲ったただならぬあの砂塵あらしも、ネオショー条約を破ったことでもたらされた。水が流れ、草が生える限りいつまでもインディアン領が州に組み込まれることはないと、あの条約は述べていた。自らの言葉で約束を交わしたにもかかわらず、その自らの言葉を裏切ることで、白人は自ら罰を招くことになった。(1861年にネオショー郡においてアメリカ南部連合国とチェロキー国の間で締結された友好条約は、1907年に一方的に破棄されてオクラホマは州となった。そして1930年代になるとこの土地一帯をダスト・ボウルとする、土埃のたまり場とするほどの極端な干ばつが襲い、乾燥した砂嵐が吹き荒れることになる)
われわれに残されたいくつもの予言が、土地と空気と水の汚染は40年間という長期にわたって続くと伝えている。汚染はあまりにもひどく、生き残るものはわずかでしかない。われわれはこの期間のことを「浄化の日々」と呼んでいるが、これは多くの白人にとっては「裁きの日々」となるだろう。どちらであれ、おなじことであり、その周期はすでにはじまっている。破壊と、自然災害と、社会的崩壊が40年間続く。安全な場所はわずかしかなくなり、われわれが現代社会として知っているものは終わることになる。——ローリング・サンダーの遺書となつた本
『ローリング・サンダーは語る——亀の島への伝言』
第3章「浄化」から
Rolling Thunder Speaks: A Message for Turtle Island
Rolling Thunder +Carmen Sun Rising Pope (著)
U.S. 定価: $14.95
価格: ¥1,460 (税込)
● ペーパーバック: 249 p ; サイズ(cm):
● 出版社: Clear Light Pub ; ISBN: 1574160265 ; (1999/02/01)
『ローリング・サンダー・スピークス』裏表紙より
ひとりのネイティブ・アメリカンのヒーラーとして、教師として、また活動家として、ローリング・サンダーは世界の数百万の人たちにその名を知られている。ローリング・サンダーの人物像とその仕事に関心を抱くすべての人たちにとって本書は、想像を絶する生涯を送った彼その人の待望の「遺書」であり、彼が自らの言葉で語った最後の証言でもある。これらの言葉はローリング・サンダーその人を写し出しているかのように奥深くてしかも平易であり、インディアンの知を非インディアンにもたらすという彼の主たる使命に貫かれているその言葉は、われわれの耳をとらえて放さず、あるときは警告で、また覚醒を促す言葉で、われわれを深い思考へと誘う。
ローリング・サンダーが亡くなる前の三十年間に書いたり話をしてテープに録音してあったものに、彼の最期を看取ったチェロキー一族ペイント氏族の女性カーメン・サン・ライジング・ポープが覚えていた物語や教えや会話を加えて『ローリング・サンダー・スピークス』は構成されている。いくつもの部族において伝統的なメディスンを身につけてマスターしたローリング・サンダーは過去四十年間インディアンと非インディアンの双方を治療し教育してきた。本書は、その彼がたどったメディスンマンとしての道だけでなく、その基本的な信仰、伝統的ネイティブ・アメリカン・スピリチュアリティーの実践の仕方を詳述したもの。ローリング・サンダー自らが語る「正しい祈りのあげ方」「悪いスピリットから身を守る法」「特別な薬草の用い方」といった具体的なものだけでなく、インディアンの信じている歴史の読み方、ネイティブ・アメリカンが直面しているカルマと政治的リアリティーについての論議、アメリカ・インディアンに残されているいくつもの予言、さらにはローリング・サンダー本人の個人的なヴィジョンと予言がふくまれている。カーメン・サン・ライジング・ポープが彼の知の体系ををあますところなく集めて整理しあくまでも忠実に形にした。
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