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Thursday, September 30, 2004

ネイティブ・フード

国立アメリカ先住民博物館(National Museum of the American Indian)が9月21日にワシントンDCに新しく開館し、そこのカフェテリアでネイティブ・アメリカンの伝統料理——杉の木でローストされた鮭や、灰焼きされたスイートコーンにヘイゼルナッツ・バターをかけたものなど——が、ハンバーガーやピザやホットドッグの代わりに提供されていることから、さっそくワシントンポストが(washingtonpost.com)がアメリカ先住民の料理にスポットを当てて「The New Focus On Native American Cooking By Karen Lincoln Michel(ネイティブ・アメリカンの料理に新たな焦点)」という記事(要登録)を開館日の翌日に掲載している。

こうした動きの背景には9月の初めにミルウォーキーで開かれた「ネイティブ・フード・サミット2004」(ネイティブ・アメリカの食べ方と生き方を変えるための集い)があり、このサミットでは「単にネイティブの人たちの料理について語られただけでなく、各部族がおのおのの土地で持続可能な食物システムを作りあげること」に焦点が当てられた。またアメリカ・インディアンの世界に今、糖尿病と若年層の肥満が広がりつつあることに懸念してそのふたつに対する戦いの必要を強調したこともある。インディアンの若者の40パーセントは太りすぎであり、白人の3倍ぐらいの割合でインディアンの人たちが糖尿病になるのだという。

理由は、他のアメリカの今日の人口グループと同じように、アメリカ・インディアンの人たちが「祖先伝来の食事を放棄せざるを得なかったこと」にあるとされる。特に北米大陸の先住の人たちが自分たちの生活を支えていた環境から切り離されて、不自由な居留地という塀のない監獄の中に押し込まれてしまって、政府から与えられる加工食品に食生活を全面的に依存するようになったことが最大の原因である。

リサべーションの多くが不毛の土地に設定されていたために耕作に適さず、狩猟採集のライフスタイルから現金経済へのスタイルの強制的かつ急激な変更で、多くの家族が仕事を求めてリザベーションから都市に流出せざるを得なくなってしまった。トウモロコシやスカッシュをかろうじて育て、小動物や鳥を捕まえるなどして伝統的な食事を伝えようとした人たちもいないわけではなかったが、大半の人たちは加工された食品を購入することに生活を全面的に依存するようになっていった。

現在ネイティブ・アメリカンの間ではもう一度祖先伝来の土地における自然資源の利用の仕方を考え直し、自分たちの土地で穫れるものを食事に生かそうとする運動が起こっている。食に対する関心をチーズや缶詰の肉やパッケージされた料理、ラード、粉乳といった政府からの支給される食品に依存した生活を続けていることから脱して、もう一度「食の全体性を回復することに向けること」が求められている。アメリカ・インディアンはこれまでも、自分たちの伝統と精神性を信じることで様々な問題と戦ってきたが、食は彼らにとって最後のフロンティアなのである。

ざっとかいつまんでみるとこんな記事だが、置かれている状況が「日本国」の現実とよく似ているのは偶然ではないようだ。米を金銭と見なす生き方をあらかじめ徹底してすり込まれていたために、すさんだ精神でひたすらに効率と利潤を優先する日本は、中庸の道を選択することなど考えもせず、農業を捨てて工業に走り、あるいは伝統農耕を捨てて化学合成された農薬や肥料を多投する不自然な大量生産農業に向かい、当然のように爆発した現金経済の中でライフスタイルを急変させて、便利な加工食品に依存するようになって、金に任せて世界中から「おいしいもの・グルメなもの」を買い集めてきたあげく、バランスを失った世界の中で糖尿病と子供たちの肥満対策に迫られている。

同じように「食の全体性の回復」が急務であるにもかかわらず、自然はあらかた荒廃してしまっていて、われわれには自分たちの信ずる伝統も精神性も残されてはいないようにも見える。持続可能な食物システムの再構築は、他人ごとではない。われわれがもしもう一度日本列島に生きる人間として全体性を回復するためには、なにを食べていくかが問われはじめている。「あなたとはあなたの食べているもののこと」なのであるから。

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Comments

 そうですか。ネイティブの人たちも、スローフード運動をやっているんですね。
 だいたい、アメリカ産の食事っておいしくない、栄養のバランス悪い、遺伝子組み換え食品を安直に使いすぎ、着色もハデなど添加物使いすぎ……みたいなイメージがあるんですが。
 ネイテイブの食事ってどんな味? 一度食べてみたいです。
 
 日本でも、ハンバーガーのパロディの牛丼なんてありますけど、あまり食べたくないです。例えば吉野家のは脂っこくて塩っぱい。干し肉を戻して、醤油と砂糖でムリヤリ和風の味付けをしたような……? 香りもムリヤリ立てているみたいで寂しい。昆布やカツオのいい香り、煮干やさば節の味わいの深さにはかないません。申し訳程度にタマネギが3切れ添えられているだけで、栄養のバランスもよくないです。おしんことか味噌汁とかを頼むと、割高になってしかも体は塩づけです。
 今、日本で流行っているさば寿司なんかも伝統回帰運動のひとつなのかなぁ。なれずしは他のアジア地域(インドシナのあたり)とも共通する料理ですからね。発酵して乳酸菌もできているので体に悪くはないと思います。そういえば、さば寿司はマスコミに載せられるのがイヤで一度も食べたことがありません。でも、日本とかアジアの伝統で体にもいいのなら、一度味見してみようかな?
 ネイティブ・フードの記事を見て、考えなおしました。身近な食について考えなおす機会をいただき、ありがとうございました(ぺこ)。
 
 
 
 
  

Posted by: ぱれいしあ | Thursday, September 30, 2004 at 05:56 PM

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