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Tuesday, August 03, 2004

にひきのねずみ (物語)

ラコタ(スー)族につたわるものがたり
再話 北山耕平


どこまでもひろがるくさのうみです。

だいへいげんとよばれる このみどりいろのうみに、にひきの のねずみが くらしていました。

いっぴきは はたらきもので、あさはやくから のにでて、へびのぬけがらで つくったふくろに まめをせっせとあつめては、ずっしりつまったふくろを はでくわえて、いえまでひきずってかえります。

もういっぴきは、うまれついてのおきらくな なまけもので、いつも たきびのまわりでおどり、よるおそくまでぺちゃくちゃしゃべりっぱなし。あさになると、すっかりつかれはてて、まめあつめどころではありません。

あるあさ。

くうきがつめたくなって、さいしょのしもがおりて、ふゆがちかづいていることをおしえました。

なまけもののねずみは、あわてて、はたらきもののねずみに、

「こまった。どうしよう。たすけてくれないかな」

とそうだんすると、はたらきもののねずみが

「へびさんたちが かわをぬぎすてていたとき、あなたはどこで なにをしていたの? これからまめをあつめるといっても、いれるふくろもないじゃないか」

「えーと。だって、わたしは、ここで、おどったり、おしゃべりしたりするので、いそがしかったのですもの」

はたらきものの のねずみは、あつめておいた へびのぬけがらの ふくろをいちまい、なまけもののねずみのために あげて、

「ふゆのために いっしょうけんめい まめをあつめなくては。もう、あそんでいるひまはないですよ」

へびのかわのふくろをくわえると、なまけもののねずみは、おおあわてで、そとへとびだし、まめをあつめはじめました。

でも、ふゆがあっというまにやってきて、なまけもののねずみは、おなかを、すかせたまま ふゆをすごさなくてはなりませんでした。

あそぶまえに、はたらかなくては、いいくらしはできないものなのです。

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