部分と全体
インディアンの人たちの暮らし方の基本に常にエコロジーがあるということに「文明社会の人たち」がうすうす気がつきはじめたのは60年代後半から70年代にかけてのことだった。『仮面の神々 Masked Gods (1950)』とか『ホピの書 Book of the Hopi (1963)』といった先駆的な本を書いてネイティブ・アメリカン・ピープルの精神性の高さの貴重さを世界に知らしめた作家・ジャーナリストのフランク・ウォーターズ(Frank Waters 1902 - 1995)は1973年当時「現代心理学(Psychology Today)」という雑誌のインタビューに応えてこう言っていた。
「インディアンにとって地球はただの物などではありません。それはまさしく生命体なのです。すべてのいのちの母親であり、わたしたちの母なる地球です。彼女の子どもたちはなにもかも、自然界にあるものことごとくすべてが、生きているのです。石も生きているし、山だって偉大な呼吸をしています。木々や、その他の植物も、鳥たちや、動物たちや、人間たちとおなじように、生きているのです。そうしたすべてのいのちたちが全体で調和のなかでひとつにつながっている。そのなかのひとつのものに起ることは、他のすべてのものに影響をおよぼします。部分どうしが実に巧みに変化しながら連動しあいつつ全体を形作っているのです」
*図版はフランク・ウォーターズ著『ホピの書 Book of the Hopi』のペンギンブックス版の表紙。『ホピの書』は『ホピ宇宙からの聖書—アメリカ大陸最古のインディアン』というタイトルで徳間書店から抄訳が1993年に刊行されている。結局彼の著書が完全な形で翻訳されたのは『仮面の神々』(上下巻 上村哲彦訳 科学情報社 1974)のみでこれも現在では古本屋以外では手に入らない。もし見つけたら買って損はありません。
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