HOKA HEY! What A Beautiful Day!
夏至の日の前日に、富士山麓朝霧高原の朝霧アリーナで「せかいへいわといのりの日」の聖なる輪を修復するための儀式の場に集って、馬たちに乗ったネイティブの人たちが霧というか雲のむこうから影のように行進してくるのを息をのんで見守っていた人たちは、アーボル・ルッキング・ホースの野太い声が「ホッカ・ヘイ!」「ワット・ア・ビユーティフル・デイ!」と何度も叫ぶのを耳にしたはずだ。この「ホッカ・ヘイ!」はアルファベットでは「Hoka Hey!」と記され、ラコタの戦士たちが戦いに突入するときに伝統的に口にする雄叫びである。彼らはこれを叫ぶことによって気持ちを引き締める。
普通「ホッカ・ヘイ!」は「it is a good day to die.」の意味とされている。「今日は死ぬには良い日だ」と。だが、詩人のジョン・ナイハルト(John Neihardt ラコタの聖者ブラック・エルクの教えを書きとめた人物)は、別のラコタの聖者であるイーグル・ヴォイスとのインタビュー集である『聖なる木に花が咲いていたとき(When The Tree Flowered)』のなかで、この「ホッカ・ヘイ!」についてもともとの言葉の意味を聞き出している。それによるとこの「ホッカ」という言葉を忠実に翻訳すると「しっかりとまとまれ」という意味であるらしい。
いろいろと調べてみると、「ホッカ・ヘイ!」は、その人によってさまざまに意味が訳されていた。あるラコタのミュージシャンはそれを「On Your Way to One」「ただひとつの存在へ向かってすすめ」と解釈していた。日本語にこれを翻訳するときにふさわしい言葉は、たとえば「あたって砕けろ」「われに続け」「遅れるでないぞ」「突撃!」そして「撃ちてしやまん」「死ぬ気でやれ!」であるだろう。
霧に包まれ、雨に打たれながら「なんて美しい日なんだ!」と叫んだチーフ・アーボル・ルッキング・ホースの「ホッカ・ヘイ!」はその場に居合わせたわれわれひとりひとりの心をひきしめ、奮い立たせるにじゅうぶんな働きをしていた。
ホッカ・ヘイ!
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