スリー・シスターズ #02
「すべてのものごとに正しい時と正しい場所がある」とローリング・サンダー(チェロキー/ウエスターン・ショショーニのメディスンマン)は語っていました。植物栽培というか、土いじりにも、同じことが言えます。農のなんたるかを知る専門家は、一年をとおしてすべてのものごとが正しい時におこなわれなくてはならないことを知っていなくてはなりません。伝統的な北米先住民は、季節の移り変わりと栽培している作物の変化に、常に気をとめていました。自分たちが耕している畑でいくつもの祝宴や儀式がおこなわれてきたのもそのためです。月の満ち欠けを見ながら彼らは「種をまくとき」「耕すとき」「収穫するとき」を判断したのです。
「月が空にのぼるのは、ひとびとにそのお姿を見せて、ものごと
を規則正しくさせるためであり、すべては月の満ち欠けにした
がって動いていく。特に女性には月の動きにあわせて生理とい
うものがもたらされているが、同様に男性も月に影響を与えら
れており、満ち欠けに応じて男は、強くなったり、弱くなった
りする」
--------レウセニョ(註)の長老
"The moon was sent up into the sky to watch the
people and regulate everything, and all goes according
to the moon. Especially is this so in regard to women
who have their menses, but men are also affected by it,
and become strong or weak as the moon waxes and wanes."
--------Luseno, Southern California
註*レウセニョは南カリフォルニアにあるネイティブの国のひとつ。「レウセニョ」は「サン・ルイ・レイ」というスペイン語の地名からきている。スペインの修道会の勢力が幅を利かせていたカリフォルニアには「サン・ルイ・オビスポ」など「サン・ルイ」のついた地名が今も多く残されていて、レウセニョにも修道士たちの教会が建てられていた。レウセニョという名前のひとつの部族があるわけではなく、いくつものさまざまに異なる村落共同体がひとつに集められてこの名がつけられている。気候はおだやかであり、山岳地域から海岸までの広いテリトリーを有して、狩猟採集、漁労の民であり、ドングリを主食としていた。ゴールドラッシュがはじまる1849年から1859年までの10年間にカリフォルニアの先住民たちの三分の二にあたる70000人が殺されるか、持ち込まれた病(やまい)で生命を失ったが、レウセニョの人たちは奇跡的に生き延び、現在もパームスプリングスの近郊などで7つのバンドが活動している。
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