え、あの人も、ネイティブ・アメリカン！？

続・知ってましたか、ネイティブ・アメリカン
ネイティブ・アメリカンにまつわるおもしろい真実「人物編」

差別が厳しかったために実際２０世紀前半までは公表していなかっただけで、かなり多くのアメリカ人とされる人たちのなかにネイティブ・アメリカンの「血」が流れていることを、知っていましたか？　

１００パーセントがインディアンの人を、インディアンの人たちは「フル・ブラッド」と呼びます。で、混血するというのはどういうことかというと、いきなり次ぎの世代で半分になり２分の１、三世代目には４分の１、四世代目には８分の１、五世代目には１６分の１、六世代目には３２分の１、七世代目には６４分の１というぐわいになります。

よく「七世代あとのことを考えて行動するように」というネイティブ・アメリカンの教えが引用されますが、一世代をたとえば８０歳として計算すると５６０年となり、今から七世代前というとちょうどコロンブスが「亀の島」と呼ばれていたアメリカ大陸に到達したころに誕生したネイテイブ・ピープルの人たちということになります。移民の人たちによる開拓が進み、混血がはじまってだいたい５００年ぐらいたつと、フル・ブラッドのネイティブ・ピープルはほぼ消滅して、そのかわりにその土地に暮らす渡来系を含むほとんどすべての人たちのなかに何パーセントずつかネイティブの血が混ざりこんでいるというのが現実なのです。アメリカはすでに９０パーセント以上の人たちのなかに、ネイティブが隠れていると思われます。

ローリング・サンダーはわたしに「インディアンであるとは血の問題ではなく、生き方の問題である」と言いました。いくらインディアンの血が入っていても、インディアンとして生きていない人がいるということでもありますし、わずかしかインディアンの血を受け継いでいなくても、インディアンとして生きることは可能だということでもあります。

そうした基本的な考え方を理解してもらったうえで、先住アメリカ人の血を引き継ぐ２０世紀の著名人、セレブになったインディアンの子孫たちを、紹介してみましょう。

□　ミュージシャン

とにかくいちばん有名なのはまずまちがいなくキング・オブ・ロックンロールである「エルビス・プレスリー（ELVIS PRESLEY）」でしょう。彼はチェロキーの血を受け継いでいました。何分の１かは不明です。他にはクリスタル・ゲイル（Crystal Gayle）、ロレッタ・リン（Loretta Lynn）、シェール（Cher）などがインディアンの血を引き継いでいます。

□　俳優

俳優ではジョニー・ディップがチェロキーの血を受け継いでいます。歌手でもあり、たくさんの映画でインディアンの役をやっているフロイド・ウエスターマンはサンテ・ダコタの出身で、インディアン・ネームは「レッド・クロウ（赤い鴉）」。

□　政治家

なんといってもコリン・パウエル（COLIN POWELL）現アメリカ国務大臣をはずすことはできません。湾岸戦争での最高司令官をつとめ、大統領の座をも狙う位置にいる彼は、アラワク一族の血を引き継いでいます。

□　アスリート（運動選手）

東京オリンピックでアメリカ・インディアンとして最初の金メダルを獲得した陸上競技１万メートル走のビリー・ミルズ（BILLY MILLS）はオグララ・ラコタの出身。ビリー・ミルズの前にアメリカ陸上競技１万メートル走の記録保持者だったのが、ホピ出身のルイス・テワニマ（LEWIS TEWANIMA）。オリンピックの十種競技のゴールドメダリストであるジム・ソープ（JIM THORPE）はサック・アンド・フォックス一族血を引き継いでいる。スポーツ選手にはネイテイブ・アメリカン出身者がかなりいるけれど、２０世紀でもっとも有名になったのがプロ・ゴルファーのタイガー・ウッズ（TIGER WOODS）で、彼は１６分の１ネイティブだといいます。