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Friday, April 02, 2004

ローリング・サンダー「平和」を語る (対訳)

PEACE STATEMENT BY ROLLING THUNDER


I have been working for PEACE all my life,
but not the sided peace like breaking treaties.
The kind of peace I'm looking for,
I have seen and will see in the future,
is armies without guns, riding horseback
because there will be no other transportation moving.
These armies will be bringing food and medicine to the people.
They will be saving what people they can,
mostly babies and old people --
because all the young people will be been wasted
and gone to war, young men and women both.
They were unable to get back to their homes in this country.


わたしは「平和」のために働くことに全生涯をついやしてきた。「平和のため」といっても、条約を破るというような「平和にそむくため」にではない。わたしが求めている「平和」、過去に見た覚えがあり、未来にも見るであろう「平和」とは、武器を持たない軍隊、他の移動手段が失われたために、馬で移動する銃なき軍隊といったものである。この部隊は、ひとびとのもとへ、食料や医薬品を運んでいる。彼らは、赤子と年寄りがほとんどを占めるひとびとを救おうとしている。なぜ、赤ん坊と老人しかいないのかというと、若者たちがみな、男子も、女子も、両方ともがいたずらに戦争に狩り出されてしまったからだ。若者たちはこの国の自分たちの家に帰ることができない。

The kind of peace I would like to see
will be up to the native people.
Because those other foreign people
have tried and utterly failed.
This time it will be up to the native people
and then go around the world.
So, that is the way it is,
the next time brotherhood is established on this Earth.


わたしが見たいと願っているこのような平和は、すべてがネイティブ・ピープルにまかされている。なぜなら、他所者(よそもの)たちは誰もが疲れ果て、もはや打つ手もつきているからだ。そのとき、ネイティブ・ピープルの出番が来る。ネイティブ・ピープルがこの世界を回しはじめる。そうなるように、なっているのだ。こんどこそ、この地球のうえに「人類をみな同胞」とする生き方が根をおろす。


Peace should mean peace for all mankind,
as well as with the four-legged and two-legged
and those that swim in the ocean.
Also with the Earth, Sun, Moon and Stars.
With all things that have life.


平和は「人類すべてのためのもの」でなくてはならない。同様に、四本の足を持つもの、二本の足を持つもの、海のなかを泳ぐもの、そうしたものたちのためのものでもなくてはならない。また太陽や月や星たちのための平和でなくてもならない。つまり平和とは「一切すべてのいのちあるもの」にとってのものでなくてはならないのだ。


We native people have in our code
to protect and promote the beauties of Nature.
So that we have a way of looking at things that is American,
which was here long before Columbus.
Columbus did not bring peace.
He brought a strange and foreign way of dictatorship.


われわれネイティブ・ピープルの掟(おきて)のなかには、自然の美を守護し喧伝するというものがある。だからこそわれわれには「これがアメリカだといわれているもの」を眺める独自の見方がある。それらはコロンブスが来るはるか前から、ずっとここにあったものだ。コロンブスは、平和を運んではこなかった。奇妙で、しかも異国の独裁を、彼は持ってきた。


Peace means so many things
that we have a word for it in Cherokee:HOS-DAW,
meaning beautiful or good.
We have another word, WO-DOGH,
which means Be at peace or, Go in peace.
That is the way I want to express myself at this time.
HOS-DAW and WO-DOGH.


「平和(ピース)」は実にさまざまなものを意味する。チェロキー一族の言葉の「ホス・ダウ」という言葉は「美しきもの」あるいは「善なるもの」を指す。また別の言葉「ウォ・ドオ」は「平和である」とか「平和でいこう」を意味する。だからわたしはいまは自分たちの言葉で、おのれの気持ちを表現してみたい。ホス・ダウ。そしてウォ・ドオと。


****注 ショショーニ族とチェロキー族のふたつの部族にまたがる長老であったローリング・サンダー翁は、1997年1月23日にネバダ州カーリンにおいてこの世界における旅を終えた。

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