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Sunday, March 28, 2004

コヨーテとウサギ(物語)

  ラコタ一族につたわるお話
  
  再話 北山耕平
  
  いつものように キョロキョロしながら コヨーテおじさんが
   あるいてきます。そうやっておじさんは なにかめずらしい
  ものはないか、いつだって さがしているのです。
  
  あるとき ウサギとでくわしました。ウサギさんは かわのお
  おきなふくろを せなかに しょっています。
  
  「やあ、ともだち」コヨーテおじさんが こえをかけました。
  「ごきげんは いかがかな?」
  
  「まずまず かな」と ウサギさん。

  
  コヨーテおじさんは ウサギさんのせなかのかわぶくろが き
  になって しかたありません。なんとかして なかみをききだ
  そうと、
  
  「たばこいれにしては おおきなふくろだねえ。よほどけむり
  をすうのがすきとみえる。おいらにも すこしわけてくれない
  か。そのからだでは そんなに すえるわけもなかろうが。お
  まえさんはチビすけだし、おいらはみてのとおり からだもで
  かいから」
  
  ウサギさんは へんじをしません。
  
  「いいじゃないか、このケチんぼうめ。あんまりよくばるん
  じゃないよ」
  
  ウサギさんは だまったまま あるきつづけます。
  
  「よお、ながいみみをしたそこのあんた、きこえるだろ。せな
  かにあるものを みせてくれっていっているんだよ!」
  
  コヨーテおじさんが そういうと、ウサギさんも やっと く
  ちをひらきました。
  
  「きみがほしがるようなものなんて なあんにもないさ」
  
  「おお、そうかい。じゃそのなあんにもないってやつをみせて
  もらおうか?」
  
  「やめたほうが いいとおもうよ。みたら かならずおこりだ
  すだろうし」
  
  ふくろのなかみがなにか コヨーテおじさんは しりたくてし
  りたくて、がまんができません。
  
  「たばこじゃなければ、なんだっていうんだい?」
  
  そうやってなおも くいさがります。
  
  ウサギさんがいいました。
  
  「さっきもいったように、このかわぶくろに はいっているも
  のを きみがきにいるとは とてもおもえないんだがねえ」
  
  そのとき−−
  
  いきなり コヨーテおじさんは がまんしきれなくなって ウ
  サギさんのせなかから かわぶくろをうばいとると、なかを 
  のぞきこみました。
  
  「うあああああああああああああーっ!」
  
  かわのふくろには なんと ノミがぎっしりとつめられていた
  のです。あまりたくさんのノミで、もうだれにもそのかずはか
  ぞえることもできません。ノミたちはいっせいに コヨーテに
  とびうつりました。
  
  「ひえええええええええええええーっ!」
  
  コヨーテおじさんは、しにそうになって あたりをころがりま
  わり、じぶんを かきむしりながら、
  
  「かゆいよーっ! かゆいよーっ!」
  
  と ほえました。
  
  ウサギが「だからいったじゃないか」とコヨーテにさけびまし
  た。
  
  そんなことがあっていらい、コヨーテのなくこえがあちこちか
  らきこえるようになったのです。ノミたちにくわれて かゆく
  てたまらずに、コヨーテは ないているのです。

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